BOOGEY VOXXと神と和解せよの全国ツアー「#BLACKVOXX_TOUR」、延期を乗り越えた気迫の最終公演

2022年12月10日、バーチャルユニット・BOOGEY VOXXとDJ・神と和解せよがタッグを組んで行われた全国ツアー「#BLACKVOXX_TOUR」の最終公演が秋葉原エンタスで開催された。BOOGEY VOXXが結成されてからの目標の1つである「地方でリアルイベントをやる」を軸に、全国6箇所でのライブツアー。本来であれば8月に行われる予定だった最終公演も、Fraがコロナになった影響で12月まで延期されたが、ライブ初披露やサプライズなど、延期があったからこそ実現できた演出がふんだんに織り込まれていた。そんな個人勢では初の全国ツアー「#BLACKVOXX_TOUR」最終公演のレポートをお届けする。





yukihILL





Kijibato





D.watt





オールジャンルをコンセプトに開催されてきた全国ツアーだが、最終公演も例外ではない。この日は、yukihILL、Kijibato、14、D.watt、PSYQUI、神と和解せよの錚々たるDJ陣に、MPCプレイヤー・KO-neyの計7名が集結。全員がVtuberのカルチャーに精通している訳ではなく、音楽イベントとしての質にこだわったキャスティングとなっている。HIPHOPからダンスミュージック、アニソンやJ-POPに加え、MPCでハイコンテクストなプレイが披露されるなど、Vtuberのクラブイベントでは決して見ることができないパフォーマンスが展開された。




14





KO-ney





以前Ciが「クラブは、分け隔てなく音楽に対して純粋に向き合える場所」と語っていた通り、多ジャンルが交差する空間の中でもフロアには常に人が溢れていたのが印象的で、まさしく純粋に音楽を楽しんでいる光景が広がっていた。そして、ライブ前のサプライズとして、「ラップしたくなってきたわ」と14のプレイ中にFraが登場し、突如フリースタイルを披露。さらには、KO-neyのMPCに合わせてセッションを披露するなど、常にワクワク感を演出しながらライブに向けて高揚感を高めていった。






19時半過ぎ、Ciからカウントダウンのコールが始まると、待ち望んでいたように会場から歓声が上がった。軽快なダンスミュージックが鳴り響き、カウントゼロのタイミングで、BOOGEY VOXXの2人が登場。「Bang!!」からついにツアーファイナルのライブセットが開幕した。「Hey!!、Ho!!」の掛け声に合わせて、左右にリズムをとるBOOGEY VOXX、強烈なキックに合わせてオーディエンスも左右に揺れる。1発目からオーディエンスを沸かせたあと、MCでは「ようやくやれましたね」というFraの語りに、「オメーのせいで!」とCiがすかさずツッコミを入れ、会場内に笑いが巻き起こる。ツアーファイナル前に発表されたFraのコロナウイルス感染による延期のお知らせから、「#BLACKVOXX_TOUR」は約4ヶ月の時を経て開催を迎えている。そんなシリアスな内容もコミカルなトークに落とし込んでいくMC力はさすがだろう。


BOOGEY VOXX、隣町本舗





「今までのBOOGEY VOXXのライブを発展させたような、最強のセットリストで臨みます」という意気込みから2曲目「attr-action」を披露。「Bang!!」からは打って変わってハードなバンドサウンドと2人のがなり声の殴打でライブに緩急をつけていく。その流れのまま「友達が来てるぜ!」の掛け声にライブゲストの隣町本舗が登場。3人で「The Vest」に収録された「Chimney sweep」を歌い上げ、隣町本舗の甘い歌声に酔いしれる空間が展開された。開幕から、定番曲や新譜、そしてサプライズゲストと、オーディエンス側に考える余地を与えないライブアクトでまさに”最強のセットリスト”を彩っていく。そして、MCを挟んで「Ghost City Club」をそのまま3人で披露。相性抜群のCiと隣町本舗の掛け合いと、エッジの効いたFraのラップの癖になるアンバランスさで、フロアがより一層クラブ色の強い雰囲気へと変貌する。「attr-action」の強烈な余韻に飲まれることなく、ダンスミュージックを違和感なく披露していたのが印象的だった。




ライブ後半戦の1発目は、「GOLDEN BATS」。ここでまた1つギアを上げるように、楽曲もパフォーマンスも並行して激しさが増していく。”#BLACKVOXX_TOURでクラブデビューを飾る”、そんなオーディエンスが多いのがこのツアーの特徴だろう。そして、いい意味でそんな初心者に優しくないであろう英才が施されるのもこのツアーの特徴の1つ。「GOLDEN BATS」に続き、「Karma D-Live」と、とにかく体を揺らすことを強制させられるPSYQUIのアッパーチューンが怒涛のように押し寄せた。ライブ中、1番楽しんでいるのはBOOGEY VOXXの2人で、常連だろうが、クラブデビューだろうが、同じ空間にいれば変わりはないということをライブや楽曲を通して伝えているかのようだった。追い討ちをかけるかのように、ライブ初披露の「Re:Credits」がコールされ、オーディエンスからは歓声が巻き起こる。「この曲は絶対に#BLACKVOXX_TOURで歌いたかった」とMCで語ったように、ツアーが延期したからこそ実現できた要素も少なからずあるのだろう。様々なサプライズも含め、期待に答えていく側面と、いい意味でオーディエンスの思惑を裏切るような仕掛けが交差していた。




最後に披露されたのはBOOGEY VOXXを代表すると言っても過言ではない「D.I.Y」を披露。MCによって作られた和やかな雰囲気から一変、歓声と同時に波を打つかのようにオーディエンスが飛び跳ねる光景が広がる。サビでフロアとのユニゾンが巻き起こり、「D.I.Y!!」のコールアンドレスポンスでは、この日最高到達点と言えるほどの一体感が生まれた。「改めて、BOOGEY VOXXと神と和解せよが主催した#BLACKVOXX_TOURに関わってくれてありがとうございました!」と最後のMCでCiが発言した内容が印象的で、”関わってくれて”という表現からわかるように、オーディエンス含め作り上げられた全国ツアーだったんだろうなと感じた。


PSYQUI





神と和解せよ





ライブ終了後は、長野公演にも出演したPSYQUI、続けて主催の神と和解せよがトリを飾った。「この後残ってるのがPSYQUIと和解なんだもん。絶対大丈夫だよ。」と最後のMCでFraが語ったように、BOOGEY VOXXとは馴染みが深く、そして信頼を寄せる2人が文字通り、最後の最後までフロアを盛り上げた。神と和解せよのプレイ後には再びBOOGEY VOXXが登場し、「年内に終われてよかったな」と言葉を掛け合うシーンが見られた。以前、「全部の現場で今まで通り100点」とツアーについて語っていたが、全国6箇所でそれを実現しながらツアーを達成できたのは偉業であり、異常だろう。個人勢として、そしてバーチャルアーティストとして数少ない全国ツアーを成し遂げたBOOGEY VOXXが、今後何を見せてくれるのか楽しみでならない。


<ライブセットリスト>
1.Bang!!
2.attr-action
3.Chimney sweep feat.隣町本舗
4.Ghost City Club feat. 隣町本舗
5.GOLDEN BATS
6.Karma D-Live
7.Re:Credits
8.D.I.Y


BOOGEY VOXX

『#いきてるみんな、生きてるか!?』 BOOGEY VOXXとは……、 ボーカルでキョンシーのCi[シィ]と ラッパーでフランケンのFra[フラ]からなる 2人組のバーチャルアンデッドユニット。 2020年3月のデビューから怒涛の勢いで勢力を拡大し、 関与した楽曲は約200曲、チャンネル登録者は100,000人を超え「最強の個人V」の肩書をほしいがままにしている。ホロライブEN・Mori Calliopeとのコラボレーションや、麻雀リーグ「神域Streamerリーグ」への参加、自主制作による全国クラブツアーなどインターネットから現実を縦横無尽に駆け巡る!

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ネバースリープ編集部 / NEVER SLEEP